【クラミノ×Ωバース】 Long and short night

牧物(つな天)にオメガバース設定を持ち込んだクラミノ小説です。
BL・妊娠要素、強い差別表現はありませんが、特殊設定が前提の、若干変態寄りなR-18小説です。
ふたなり(一言二言)、ソフトSM、男性受(基本は女性受)などの表現が含まれます。
作中でオメガバースについての詳しい説明はしておりません。

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Long and short night

 
 
 つがいになってから分かったことが、いくつかあった。
 一つ。「自分はαらしくない」と思っているミノリだが、彼女は間違いなくα性の資質を備えているということ。
 二つ。普段のミノリはΩ性のフェロモン誘引に理性で抗っているだけで、箍を外せばマタタビを与えられた猫状態になってしまうこと。
 三つ。Ω性の自分は、生涯のパートナーであり主でもある彼女に、決して逆らえないということ。
 
 全裸のミノリは、同じく素っ裸でベッドの上へ四肢を投げ出しているクラウスの胸に上半身を乗り上げ、蕩けきった顔で彼の目を覗き込む。そして、ふう、と熱い吐息を漏らしつつ、温めた蜂蜜のように甘ったるい声で囁いた。
「……クラウス……もっと……ほしい、です……」
 今晩、五回目のおねだりである。

「このままじゃ、身が持たん……」
 翌朝、ミノリの家を出たクラウスは自宅へ戻るなり、仕事机で頭を抱えて独りごちた。そして、書類がしまってある引き出しの一番下に隠し入れていた下世話な週刊誌を取り出すと、ぱらぱら捲り始める。普段は見向きもしないような雑誌を購入したのは、「中年男性の下事情」「必ず女性を満足させる、マンネリ解消SEX」等の見出しが、どうしても気になってしまったからだ。
 黙って目を通すこと、およそ三十分。
 おもむろに立ち上がった彼は、取引先との商談へ出かけるため、必要な書類を仕事鞄に収めてコートを羽織り、足早に自宅を後にしたのだった。
 
 
 
 
 その夜。
 町外への出張から帰ったクラウスは、春の中旬から毎日そうしているように、その日もミノリの家へ泊まりに出掛けた。未婚ではあるが、事実上の同棲状態である。
 ミノリとつがいになって以降、クラウスが定期的に発情することはなくなっていたが、発情期そのものがなくなったわけではなく。その時期が訪れると、ミノリを前にした時のみ、ミノリに対してだけ発情するようになっていた。よって、街中で彼女と出くわしてしまった時のために朝昼の発情抑制薬は未だ欠かせなかったが、二人きりの時であればいつでも彼女が鎮めてくれるため、発情期は全く苦しいものでなくなった。
 むしろ、普段は穏やかな情交で癒され、月におよそ五日間続く発情期中には隙あらば激しく乱れ合うという、程よくメリハリの効いた性生活を楽しんでいた。
――のだが、初心だったミノリに「いろいろと」手解きをした結果、クラウスより若く、α性として先天的な体力も勝っている彼女は、発情中のクラウスが発するフェロモンの作用によって、自身が満足するまで際限なく彼を求めるようになってしまったのだった。
 しかし、今日のクラウスは、しっかりと対策を考えてきた。
 ミノリの家の玄関扉を開け、パートナーの顔を見るなり、かあっと熱くなるクラウス。ミノリも彼の顔を目にした瞬間、同様に顔を真っ赤に染めた。
「……お帰りなさい」
「……ただいま」
 二人の間に流れる空気は、早くもピンク一色である。
「お風呂が先……で、いいですか?」
「……いや、夕飯を先に貰おう」
 つまり「風呂には一緒に入りたい」ということ。もっと具体的に言えば――
 
 
「……んっ……せっけん……きもち……い……」
「……洗ってる傍から溢れてくるな」
――こういうことである。
「ん……ふぅっ……んぅ……」
 小さなシャワーチェアの上、クラウスに背中を抱かれたミノリは、泡のついた手で下半身の突起を滑らかに扱かれ、控えめな嬌声を上げた。当然ながらクラウスも彼女のフェロモンに侵されており、今すぐにでも彼女の中へ押し入りたくて一物ははち切れんばかりであったが、彼女を満足させることを優先し、荒い息を吐きながらも本能に抗っている。
 クラウスは、今度はするりと指をミノリの中へ差し入れ、彼女の弱い部分をくすぐるように擦った。途端に、ミノリの身体がびくんと大きく跳ね、背は仰け反り、嬌声も大きくなる。身じろぐ身体を支えつつ、クラウスは彼女の首に残ってしまった傷痕に口付けると、それを強く吸い上げた。
 ミノリのうなじに、赤い花弁がまた一枚、散らされる。そこには、既にいくつもの朱が。行為の度に増えていくそれは、彼女のつがい相手の愛執の強さを物語っていた。
 今宵の分の所有の証を残し終えて満足すると、クラウスは指を引き抜き、代わりに避妊具を装着した自身の先端を、ミノリの入り口に擦り付ける。我慢も限界に近かった彼は、数回往復させただけで耐え切れなくなり、そのまま下から一気に彼女を貫いた。
「ああぁっ……!!」
 叫びに近い、歓喜の声を上げるミノリ。クラウスも彼女の耳元に、はあ、と熱い息を吐きかける。
「ミノリ……このまま、こっちを向けるか?」
「ん……ぅ……」
 肯定の返事か喘ぎか判じ得ない声を漏らし、ミノリは繋がった部分を軸にして、辿々しくクラウスに向き合う。すると彼は、白い肌に実ったさくらんぼのような突起を、ぱくりと口に含んだ。同時にミノリの体を揺すり、斜め下から突き上げ始める。
「あぁっ……あっ……」
 可愛らしく鳴きながら、ミノリは無意識にクラウスの耳の裏へ鼻を近づけ、より濃厚な彼の香りを嗅ぐ。そして、恍惚とした表情を浮かべた。
「きもち……いっ……あ……ああぁぁっ……!」
 ミノリはあっという間に、最初の絶頂を迎える。追ってクラウスも小さく痙攣し、この日溜め込んだ分の性欲を、ひとまず解放したのだった。
 
 
 しかし、まだまだ夜は始まったばかりである。
 睦まじく湯船に浸かって体を温めた二人は、裸のままベッドへと移動し。蕩けた顔で甘くじゃれ合い、啄むようなキスを幾度も交わす。
 徐々に激しくなる愛撫の応酬、そして深みを増していく口付け。荒い呼吸の合間にミノリの肩を甘噛みしたクラウスは、ついに彼女をシーツの海へと俯せに沈めた。
 ミノリは体を起こそうと軽く身じろいだが、背中の中心を片手でそっと押さえつけられていたため、叶わず。そんな些細な力にも抵抗できないほど、彼女は恋人の発する香りに酔って脱力していた。
ここでクラウスが、夕食後にこっそりナイトテーブルに置いておいた紙袋を取り出す。それを目にしたミノリは伏したまま、上目遣いで彼を見上げた。
「……それ、何ですか?」
その質問を待ってましたとばかりに、ニヤリと口角を上げるクラウス。
「エッチで可愛いお前への、お土産だよ」
元々上気していたミノリの顔が、いっそう赤く染まる。
「えっ……えっちなんかじゃ……」
「毎晩、『もっと、もっと』とせがむ欲しがりさんには、こういうのが丁度良いかと思ってな」
そう言って彼が紙袋から取り出したのは、不思議な形をしたピンク色の棒だった。持ち手らしき部分から細いコードが伸び、リモコン状ものと繋がっている。それが何か分からず、ぽかんとするミノリ。そんな彼女の頬を、クラウスは棒の先端でつんつんと突いた。
「こういうのを見るのは、初めてか?」
「……はい」
 ミノリは顔の前に差し出された棒を、恐る恐る二本の指先で摘まんでみた。指の腹に伝わる、ぷにぷにした感触。小首を傾げる彼女を、クラウスが楽しげに見下ろす。
「どうやって使うと思う?」
「え……? えっと……」
 少し難しい顔で考え始めたミノリだったが、今の自分が置かれている状況を鑑みてすぐに想像がついたらしく、かあっと耳まで真っ赤になった。
「あ……、わ、わかりません……」
 無駄にかまとと振る彼女の耳元へ、クラウスは唇を寄せる。
「分からないか? それじゃ、使ってみようか」
「やっ、ヤです!」
 そう答えてもぞもぞ暴れ出したミノリの背中を、クラウスが片手で優しく、しかし確実に押さえつけた。
「そうやって暴れると思って、こんなものも用意してみたんだ」
 彼は手にしていた「おもちゃ」を放りだすと、同じ紙袋から、今度は別の何かを取り出す。それを目にしたミノリは、強張った表情でごくんと唾を飲んだ。クラウスがニコニコしながら手にしていた「それ」は、ピンク色のファーに包まれた、手錠だった。
 
 
「やだ……! こんなの、イヤです……!」
 半ば強制的に、後ろ手に手錠をかけられて仰向けに寝転がされたミノリは、脚をバタバタさせる。そんな絶景を眼下に置くクラウスの呼吸は浅く小刻みで、今にも理性が弾け飛びそうだった。否、既に飛んでいたのかもしれない。
「大人しくしてろ。気持ち良くしてやるから」
 しかし、ミノリは尚も涙目で訴える。
「や……やだ……! クラウスのがいいです……!」
 未知の異物を挿入されたくない一心から飛び出した言葉であろうが、思わず、ぐっと引くクラウス。僅かに迷いが生じたものの、それでも、やはり邪な遊び心には勝てなかった。
「後で、好きなだけくれてやるから。とりあえず、一回試してみよう。な?」
 そう言いながら彼はミノリの脚を開くと、既にしとどに濡れていた秘所へ、ゆっくりと棒を埋め込んでいく。彼の「モノ」より少し細めのそれは、いとも簡単に彼女の中へ飲み込まれてしまった。
「……っ……!」
 それほど挿入感がなかったのか、ミノリが声を上げることはなかったものの、ぴくりと小さな反応だけは返る。クラウスは間髪入れず、彼女の最奥を棒の先端でくすぐるように、つんつんと突いてみた。
「っあ……」
 控えめな嬌声が漏れる。しかし、彼を受け入れる瞬間ほど快さげでもなかった。クラウスは嬉しく思ったが、同時に、多少つまらなさも感じた。「後で好きなだけ」と口にした通り、ある程度ミノリを満足させたら自身も存分に楽しむ気でいた彼は、長々と焦らす気もなかったため、さっそく奥をぐりぐり抉る。
「や……っあん!! ああぁ!! あぁっ!!」
 途端に、ミノリが高い声を上げた。
「このくらいの刺激が快いのか。手前のほうはどうだ?」
 答えを求めぬ問いを投げつつ、彼は挿入物を恥骨の下部へと移動させ、先端を擦り付ける。
「イヤっ……! そっ、そこっ……あっ……! ああぁぁっ……!」
 反応は上々だった。調子に乗ったクラウスは、執拗にそこを刺激し続ける。
「やっ……やぁ……! あっ……あぁ……ん……!」
 よもや泣き声に近い囀りを響かせながらミノリが身を捩るも、彼は尚、玩具を前後に動かす手を止めない。そのまましばらく続けていると、とうとう、ミノリの女陰茎から透明な液体が迸り出た。クラウスはようやく動きを止めると、粘度の低いその体液を指先に絡め取り、匂いを確かめる。
「……潮、だな」
 そして、いかにも嬉しそうに口元を歪めた。
「お漏らしするほど快かったか?」
 ミノリはと言えば、はあ、はあと肩で息をしつつ、潤んだ瞳から、ぽろりと涙を零す。
「……ひど……い……」
 どうやら本気で泣いている様子の彼女を目にし、急き過ぎた自覚のあったクラウスは、ぎょっとした。盛大に焦り、慌ててフォローを試みる。
「あー……、だが、悪くなかっただろ? こういう趣向も、面白いと思って、だな……。……今日は、もうしまっておくか」
 しかし、そう言って彼がミノリの中から玩具を引き抜こうとすると、彼女はきゅっと足を締めて阻害した。腰をもじもじ揺らし始めた相手へ、心配そうな顔を向けるクラウス。「どうした?」と問おうとした――が、彼から視線を逸らしつつも、物欲しそうに軽く下唇を噛んでいるミノリの様相を目の当たりにし、再び笑みを浮かべる。
 嫌よ嫌よも好きのうち、というわけだ。
 クラウスは黙ったまま、彼女の中へ棒を押し戻すと、何も告げずにリモコンのスライドスイッチを一気に中段まで押し上げた。
「……っん!! ……っああぁぁ!!」
 突如、最奥を微振動に攻められ、堪らず声を上げるミノリ。そんな彼女の耳元で、クラウスが低く囁く。
「気に入ってくれて良かったよ。これで、あと二回くらい達しておこうな」
 ミノリは泣き叫ぶような嬌声を上げながら、その言葉を遠くに聞いていた。
 
 
 
 
 翌朝。
「何の相談もなしに、いきなりあんなの……酷いです!」
「そうか? しかし、お前も結構楽しんでいるように見えたが」
 ティーカップを片手に真っ赤な顔で抗議したミノリへ、意地悪い視線を向けるクラウス。既に着替え終えてベッドに腰掛けていた彼は、そのまま黙って可愛い恋人を見つめ続ける。すると、まだ裸のまま掛布団にくるまっているミノリは、あせあせしながら続けた。
「あっ……、あれは、クラウスのフェロモンのせいで……!」
「それじゃ、オレのも、お前のフェロモンのせいだな」
「……っ!」
 クラウスが涼しい顔で、自分の淹れたモーニング・ティーを啜る。
「可愛かったぞ。……ああ、それと、あれ以外にも買ったものがあるから、今夜使ってみような」
「……!!」
 これで当面は体力が保ちそうだ――などと考えつつ、クラウスはカップの中身を飲み干した。